定期点検の基礎

危険物施設の定期点検とは?対象施設・周期・3年保存をわかりやすく

運営・編集:危険物点検台帳編集部

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危険物施設の定期点検とは

危険物施設の定期点検とは、消防法14条の3の2に基づき、政令で定める製造所・貯蔵所・取扱所の所有者・管理者・占有者が、施設の位置・構造・設備が技術上の基準(消防法10条4項)に適合しているかを、定期に自ら点検し、その記録を作成・保存する制度です。根拠となる周期や記録の要件は危険物の規制に関する規則(e-Gov法令検索)に定められています。

点検を実施しなかったり、記録を作成・保存しなかったりした場合、消防法44条第五号により30万円以下の罰金又は拘留が科されることがあります。あわせて、基準に適合しない状態が続けば、施設の使用停止命令(法12条の2)の対象にもなり得ます。

どの施設が定期点検の対象か

定期点検の対象となる施設は、危険物の規制に関する政令8条の5で定められています。対象の決まり方は2通りあり、指定数量の倍数で決まるものと、倍数に関わらず対象になるものに分かれます。

指定数量の倍数で決まるもの(政令7条の3)は次のとおりです。

  • 製造所:倍数10以上(第1号)
  • 一般取扱所:倍数10以上(第6号。除かれるのは政令31条の2第六号ロに規定するもの=倍数30以下で引火点40度以上の第四類の危険物のみを容器に詰め替えるものに限られます)
  • 屋内貯蔵所:倍数150以上(第2号)
  • 屋外タンク貯蔵所:倍数200以上(第3号)
  • 屋外貯蔵所:倍数100以上(第4号)

倍数に関わらず対象になるもの(政令8条の5)は次のとおりです。

  • 地下タンク貯蔵所(第2号)
  • 地下タンクを有する製造所(第1号)・給油取扱所(第4号)・一般取扱所(第5号)
  • 移動タンク貯蔵所=タンクローリー(第3号)

なお移送取扱所は倍数を問わず対象ですが、これは政令8条の5ではなく政令7条の3第五号によるものです。ただし配管の延長が15kmを超えるもの、又は最大常用圧力0.95MPa以上かつ配管延長7km以上15km以下のもの(政令8条の3)は、政令8条の5の柱書により定期点検の対象から除かれ、代わりに保安に関する検査(消防法14条の3第1項)の対象になります。

自社の施設が対象になるかの目安は危険物施設 定期点検 要否・期限チェッカーで区分ごとに確認できますが、最終的な該否は所轄の消防本部にご確認ください。

点検の周期と記録の保存

定期点検は、原則として1年に1回以上行います(規則62条の4)。その記録は3年間保存しなければなりません(規則62条の8第五号)。記録は電磁的方法(パソコン・クラウド)で作成・保存しても差し支えなく、必要なときに表示・出力できれば書面に代えられます。

記録には、点検をした危険物施設の名称、点検年月日、点検の方法および結果、点検を行った者の氏名などを記載します。記録表のひな形は危険物施設 定期点検 記録表テンプレート生成で施設区分ごとに作成・印刷できます。

地下タンク・移動タンクの「漏れの点検」

地下貯蔵タンクや地下埋設配管を有する施設、移動タンク貯蔵所には、定期点検とは別に漏れの点検が必要です。周期は施設によって異なります。

  • 地下貯蔵タンク・地下埋設配管:原則1年に1回。ただし、完成検査から15年以内のもの、または危険物の漏れを覚知し拡散を防止する措置が講じられているものは3年に1回でよい(規則62条の5の2・62条の5の3)。
  • 移動貯蔵タンク:完成検査済証の交付日または直近の漏れの点検日から5年を経過する日の属する月の末日までに1回以上(規則62条の5の4)。

漏れの点検は加圧法・減圧法・気密試験など所定の方法によるため、専門業者に委託するのが一般的です。定期点検と漏れの点検は周期が別建てになるため、施設ごとにそれぞれの次回期限を管理する必要があります。

記録の保存年数は点検の種類で異なる

見落としやすいのが保存年数です。定期点検の記録と、地下貯蔵タンク・地下埋設配管の漏れの点検記録は3年保存ですが(規則62条の8第二号・第三号・第五号)、移動貯蔵タンクの漏れの点検記録だけは10年保存です(同条第四号)。

同じ「点検記録」でも3年と10年に分かれるため、移動タンク貯蔵所を持つ事業所は記録を種類ごとに区別して管理する必要があります。3年で処分してしまうと、漏れの点検記録の不保存として消防法44条第五号の対象になり得ます。

まとめ

危険物施設の定期点検は、対象施設であれば1年に1回以上、記録は3年保存が義務です。地下タンク・移動タンクにはさらに漏れの点検が加わり、周期も記録の保存年数も別建てになります(移動貯蔵タンクの漏れの点検記録は10年)。記録の不備や未実施には罰則・使用停止命令があるため、施設ごとに周期と次回期限、記録の保存を確実に管理しておくことが大切です。

よくある質問

Q. 危険物施設の定期点検はどのくらいの頻度で行いますか?

原則として1年に1回以上です(危険物の規制に関する規則62条の4)。地下タンク・移動タンクの漏れの点検は、地下タンクが原則1年(条件により3年)、移動タンクが5年など、別の周期で行います。

Q. 定期点検の記録は何年保存しますか?

定期点検の記録は3年間保存します(規則62条の8第五号)。点検年月日・方法・結果・点検者の氏名などを記載し、電磁的方法(クラウド・パソコン)での保存も認められます。

Q. 漏れの点検の記録も3年保存でよいですか?

地下貯蔵タンク・地下埋設配管の漏れの点検記録は3年保存ですが(規則62条の8第二号・第三号)、移動貯蔵タンクの漏れの点検記録だけは10年保存です(同条第四号)。同じ点検記録でも年数が分かれる点に注意してください。

Q. 定期点検を怠るとどうなりますか?

記録の不作成・虚偽作成・不保存は消防法44条第五号により30万円以下の罰金又は拘留が科されることがあります。基準不適合が続けば使用停止命令(法12条の2)の対象にもなり得ます。

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点検そのものより、施設ごとに違う次回期限の管理が長く続きます

危険物点検台帳は、実施した点検の記録を施設ごとに紐づけて保存し、定期点検と漏れの点検の 次回期限をそれぞれ別に追跡します。期限が近い施設のお知らせと、規則62条の8の保存に沿った 記録の出力まで1つの台帳にまとまります。

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